家族が亡くなった時に相続する?相続しない?

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家族が亡くなった時、悲しむ暇も無かったという話を聞いたことがあるかもしれません。通夜・葬式・初七日まで終わっても、香典返しを決める作業が残っています。そして、忙しい中で四十九日法要まで済んだらふと遺産のことに気付くかもしれません。

遺産があれば相続すべきものと考えるかもしれませんが、世の中には相続しないという判断の人もいます。そこで、遺産相続の3つの方法と相続するかを決める前に行うことを紹介します。

相続するか、相続しないかを判断するのは原則3か月以内!

実は、相続があることを知った時から原則3か月以内に単純承認・限定承認・相続放棄の手続きはしなければならないと決まっています。もしも四十九日の頃に遺産があることに気付いたとしたら、期限は1か月半しか残っていません。

手続きは、故人の住民票の届け出がある住所を管轄する家庭裁判所で届け出をすることになります。何か事情があって3か月以内に決められない場合も家庭裁判所に申し立てをして許可が下りれば期限を延長できますが、許可が下りないケースもあります。

単純承認とは?

さて、相続すべきかを決める単純承認・限定承認・相続放棄についてですが、身内の訃報に立ち会ったことが無い人の場合は馴染みのない言葉かもしれません。そこでまずは、それぞれの意味について紹介します。単純承認とは、遺産を「相続する」という意味です。

また、3か月以内に限定承認や相続放棄の手続きをしなければ、原則として単純承認とします。さらに、何らかの手続きをしないままで遺産に手を付けてしまうと単純承認したものとみなされます。相続するものは現金・預金・不動産だけではなく、借金や保証人になっている債務も含まれます。

限定承認とは?

限定承認とは、相続した財産で借金や遺贈(遺言によって財産を無償で贈与すること。受け取る人は法定相続人以外でも可)を弁済し、それでも余った場合に財産を受け継ぐという条件を付けて相続を承認することです。限定承認の場合はまず借金や遺贈の弁済がされ、相続した財産でこれらを支払いきれなかった場合はその負債を相続する責任はありません。

また、財産が余った場合のみ受け取るということなので、遺産のプラスの部分のみを相続できるというものです。なお、限定承認は相続人全員で申請しなくてはならないので、相続人全員で話し合って期限内に判断しなくてはなりません。

さらに、自宅などの不動産を取得したい場合は「先買権(さきがいけん)」を利用して、相続人は取得したい遺産の評価額を支払うことでその遺産を得ることが出来ます。なお、この評価額は家庭裁判所が選任した鑑定人が決めることになります。

つまり、限定承認とは相続する遺産の中で財産と負債のどちらが多いかわからない場合に選択する手段になります。例えば、故人に借金癖などがあるなどして、遺族が知らない借金があるかもしれないという時に手続きをすると良いでしょう。

ただし、限定承認の場合は遺産に手を付けることが出来なくなってしまいます。遺族に手元のお金があればよいのですが、手元に葬儀のためのお金が無くて故人の預金から引き出したとします。すると単純承認をしたとみなされてしまい、限定承認の申請をすることが出来ません。

また、借金の返済をするために故人の財産を売って現金化したとしても単純承認をしたことになってしまうので注意しましょう。

相続放棄とは?

相続放棄とは、遺産相続を全て放棄することです。遺産を単純承認してしまうと現金や預金などの財産も借金などの負債もすべて相続しなくてはなりませんが、もしも負債の方が明らかに多い場合は相続した人が残った借金の返済をしなくてはなりません。

しかし、相続放棄をすることでその人は最初から相続人ではなかったことになるので、借金も相続する必要がなくなります。また、家業があってその経営を安定させる目的で後継者以外の人が相続を辞退する場合にも相続放棄の手続きが行われます。

相続放棄をする主な理由は遺産の中で負債の占める割合が多い場合ですが、もしも借金の方が多いのに相続放棄をしなかったらどうなるのでしょうか。相続放棄の手続きをしないで3か月が経ってしまうと単純承認したことになり、相続人の借金の返済義務が自動的に発生します。

督促も相続人のところに来ますし、そのまま借金を返済しなければ相続人の財産を差し押さえられてしまう可能性が出てきます。この相続人の財産と言うのは、故人からの遺産だけではなく相続人が元々持っていた資産も含まれています。

そのため、遺産の中で明らかに負債の方が多いのであれば、すみやかに相続放棄の手続きをした方が良いでしょう。なお、相続放棄は限定承認とは違いそれぞれの相続人が単独で申請することが出来ます。

つまり、相続人の中で意見が分かれていたとしても、それぞれの判断で放棄することが可能ということです。なお、1度相続放棄をしてしまうとそれを取り消すことは出来なくなってしまいます。相続があることを知ってから3か月以内の段階で負債の方が多いので相続放棄をしたけれども、後になって負債を上回るような財産が見つかったとしても相続放棄の撤回は出来ません。

そのため、故人の財産や負債の確認は慎重に行わなければいけません。

遺産を相続するかを決めるために行うことは?

3か月以内に遺産を相続するか決めるためにまず行わなければいけないことは、法定相続人を確定することです。例えば男性が亡くなったとして、妻子以外にも前妻との子どもがいる場合もありますし、相手の女性と結婚していなくても認知をした子どもがいるかもしれません。

また夫婦の間に子どもがいない場合は、配偶者と男性の兄弟姉妹が相続人になります。相続人には第1順位から第3順位まであるので、しっかりと確認しましょう。遺言書の有無も確認する必要があります。もしも相続の手続きをした後で遺言書が出てきてしまうと、また相続の手続きをやり直さなければいけない場合もあります。

家族に内緒で仏壇や金庫に入れている場合もありますし、公証役場で公正証書遺言を作成している場合もあります。相続の手続きをする前に行うことで一番大変なのが、相続する財産の把握です。親子が離れて住んでいる場合は親の預金口座がどの銀行になるのかなどをわからないケースも少なくありません。

まずは、預金通帳・印鑑・キャッシュカードなどを探すことになります。これらが見つからなければ、取引銀行からカレンダーなどの粗品を受け取っている可能性があるので、それをもとに銀行に問い合わせることになります。

借金の有無については、金銭消費貸借契約書を探したり銀行や消費者金融からの郵便物で確認できます。故人の口座から借金の返済が毎月引き落とされていることで判明することもあります。さらに、自宅等の登記事項証明書や自動車の車検証でローンの有無を確認できます。

しかし、通夜・葬式・四十九日などで忙しい中でこれらのことを行うのは大変なので、親子で普段から財産や負債についてよく話し合っておくと良いでしょう。

参考資料《相続に関する相談》 > http://soleil-confiance.co.jp/